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――少し気になっているのは、東京五輪のことです。期待される中でメダルを獲得できなかったショックは、やはり大きかったのかなと思います
山口:うーん、その時やれることは十分にやったつもりではあるので、仕方がないと言えば、仕方がない部分はすごくあると感じています。ただ、リオの時は、五輪に合わせて準備してきたというのではなく(勝ち続けて世界ランクが急激に上がり)急に出られるようになったという感覚もあったので、ベスト8で満足するところもありました。また、次は東京大会と決まっていたこともあり、次はそこまでにもっと成長しようという気持ちを持てました。でも、東京五輪までの時間は、延期もあって(長かったし)、リオからしっかり積み上げてきたものもありました。その中で、頑張ったとはいえ……というところがあったので、そこがなかなか、難しいところだなと思います。
山口茜選手
――今シーズンを総括するコメントで「最後に世界選手権を優勝できたからと言って、終わり良ければすべてよしとは言えないのかなと思ってしまう」と話していたのも、五輪の結果が引っかかっているという意味合いと受け止めました
山口:そうですね。やっぱり、そこが一番……。「終わり良ければすべてよし」とまとめてしまいたいところではありますけど、なかなか、そうもいかないのかなと。周りの人は「今年の最後、世界選手権で優勝できて良かったね」という感じで接してくれていますし、それは良かったと思っていますけど、自分の中では、五輪で期待に応えられなかった悔しさは、まだまだ残っています。
■東京五輪後の新たな戦い
――しかし、五輪の後は、ずっと安定して好成績でした。新たな収穫もあったのでは?
山口:以前は、連戦の中で、気持ちが続かなくて1回戦や2回戦で連続して負けたり、プレーが良くないときに切り替えられなかったりすることが結構あったのですが、今回はそういうのがなくて、プレーがうまく行かないときでも、思い切ることができるようになってきたと思います。ただ、会場でのシャトルの飛び具合によって、あまり考え過ぎずに気持ちよくプレーできる時と、そこばかり気にしてコントロールできない時の差が、まだ激しいなとも感じています。戦術などを考えて対応できるようになってきているのかなとは思いますけど、もう少し対応できたらと思います。21年の下半期でも欧州(デンマークオープン、フランスオープン、スペインで開催された世界選手権を優勝)では良かったと思いますが、インドネシアの3大会では調整が難しくて、相手との戦いだけでなく、自分との戦いを加えてしまった印象です。
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