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バドミントン コラム 2022年1月12日

「女王のメッセージ」と「新王者誕生」は、パリ五輪への底上げとなるか │ バドミントン

バド×レポ by 平野 貴也
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男子シングルスも新王者が誕生。決勝戦では、次代のエースの座を狙う2人がファイナルゲームにもつれる熱戦を展開した。勝ったのは、田中湧士(日本大学)。長身から繰り出す強打が持ち味だが、体のサイズを守備範囲の広さとして活用するような試合運びで丁寧なラリーを展開。最後は体力でも勝り、技巧派の奈良岡功大(IMG)を2ー1(14ー21、21ー17、21ー14)の逆転で破った。日本B代表だが、日本ランキングサーキットは初戦敗退。東日本学生選手権、全日本学生選手権でもタイトルを逃すなど精彩を欠いたが、今大会は1カ月ほど前から来春に加入するNTT東日本チームでトレーニング。「技術、体力、すべてにおいて自分より上の人たちがいる中で練習できたことがプラスになった」と手ごたえを示した。

田中湧士

混合ダブルスも日本B代表が躍進した。初優勝を飾ったのは、緑川大輝/齋藤夏(早稲田大学/ACT SAIKYO)。齋藤は「A代表がいない中、勝たないといけない気持ちがあったので、優勝できて良かった」と安堵の表情を浮かべた。同じくB代表の西川裕次郎/尾崎(正しくは右上が立)沙織(NTT東日本)が大会を棄権したこともあり、順当な勝ち上がりだった。まだ世界ランク83位だが、目標は24年パリ五輪の出場。緑川は「レシーブからの組み立てができていない。今回は、シャトルがあまり飛ばない環境だったが、相手のスマッシュが速くなるとまだレシーブができていない。個人としては、パワーが足りないとすごく感じている。飛ばない環境では何本打っても変わらず、展開を変えられない」と今後の課題を挙げた。

男子ダブルスは、第1シードで出場した高野将斗/玉手勝輝(日立情報通信エンジニアリング)が全試合をストレートで制して初優勝。決勝戦では日本B代表の井上拓斗/三橋健也(日本ユニシス)に競り勝った。玉手は「A代表がいない中、優勝しかないと考えて臨んだ結果が形に表れて嬉しい。日立にとっても初優勝で、2月のS/Jリーグに向けてチームにとってもプラスになる結果だと思う」と喜んだ。同種目では園田啓悟/嘉村健士(トナミ運輸)と2大会連続で五輪に出場した遠藤大由(日本ユニシス)が東京五輪で代表を引退。次世代の保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)が世界選手権で初優勝を飾って台頭しており、高野は「保木/小林選手が自信をつけてプレーしていると感じる。同じ世代ではあるので目標にして戦っていきたい」と刺激を受けていた。

コロナ禍で練習や試合の機会が減っていることは、若手の台頭のブレーキとなっている。今大会も世界トップレベルを体感できた選手は少ない。しかし、環境を言い訳にしてもいられない。「代表不在の全日本」も一つの糧にするべきだ。女子シングルスは、3連覇の女王からのメッセージに対する奮起が期待される。他種目では、新王者の看板を背負った選手の意識の向上、あるいはライバルにタイトルを奪われた選手の逆襲があるか注目だ。

文:平野 貴也
平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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