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保木卓朗/小林優吾(トナミ運輸)
山口、渡辺/東野は、東京五輪の日本代表だが、新たに台頭する選手も現れた。筆頭は、男子ダブルスの保木/小林だ。19年の世界選手権で銀メダルを獲得しているが、成績が安定しないのが課題だった。しかし、21年下半期は、目覚ましい活躍を続けた。スディルマン杯と男子団体トマス杯では、東京五輪で銅メダルを獲得したアーロン・チア/ウーイック・ソー(マレーシア)に2勝1敗と互角以上に渡り合った。保木は、彼らに勝利できたことが自信になったという。個人戦では、デンマークOPで優勝。東京五輪で金メダルの李洋/王斉麟(リー・ヤン/ワン・チーリン=台湾)も撃破した。さらにインドネシアOPも制すると、最後はWTF、世界選手権も続けて優勝。世界にその名を轟かせた。小林は「以前は、何回も自分が決められたり、それが保木のプレッシャーになって(カバーを意識するあまり)取れない球が多かった」と改善点を明かした。タン・キムハーコーチの下、代表チーム練習後に約1時間、レシーブの個人練習を積んできた成果を感じ取っていた。
ただ、タフなシーズンを戦い抜いて結果を得た選手の活躍は素晴らしいが、各国の足並みが揃わず、各大会の評価が難しい部分もある。シーズン序盤は日本がタイの3大会を欠場。中国は、コロナ禍以降にフルメンバーを派遣したのは五輪、団体戦、世界選手権のみ。インドネシアは、12月の世界選手権を欠場した。五輪以外の個人戦は、いずれも「どこかの国がいない」大会ばかりだった。
また、シーズン後半は連戦の疲労が明らかで、負傷離脱者も多かった。世界選手権の直前に行われたWTFでは、男子シングルスで同じ組の桃田賢斗(NTT東日本)、ラスムス・ゲンケ(デンマーク)がともに初戦で棄権。4人で2枠を争うグループラウンドで自動的に準決勝進出者が決まる展開となった。桃田は11月のインドネシアマスターズで、交通事故にあった20年1月以来1年10カ月ぶりの優勝を味わったが、腰痛を理由にWTFを途中棄権。3連覇がかかっていた世界選手権も欠場した。21年下半期は、多くの国際大会が行われたが、観衆を魅了するパフォーマンスに必要なコンディションの維持がなされなかった。コロナ以前のように、定期的に健全な競争を展開するツアーは、蘇っていない。
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