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バドミントン コラム 2021年1月4日

バドミントン国際大会、新たな開催方式の注目点は?

バド×レポ by 平野 貴也
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もう1つの注目点は、今後のコンディション調整方法に与える影響だ。1つの開催地で3大会を連続開催するのは、新型コロナウイルスの感染拡大防止策。大会関係者を現地に集めて検査を行った後、陰性者のみのグループとして「バブル」と呼ばれる限定された行動範囲で他のグループとの接触を断つ方法が採用される。20年10月のデンマークオープンがテストケースで、今回は複数大会の連続開催に臨む。

奥原希望(太陽ホールディングス)

気になるのは、選手の調整方法が変わっていく点で、コンディションへの影響だ。女子シングルスの奥原希望(太陽ホールディングス)は、3月の全英オープンでベスト4に入り、10月のデンマークオープンで優勝し、12月の全日本総合選手権で2連覇を達成。コンスタントに成績を残しているが、帰国後に活動自粛期間を置いてトレーニングを再開するという2度の経験から、コンディションをもう一度上げる必要があったことに言及。「デンマークオープンまでは(3月から10月まで)練習時間がすごく長くて自信を持って臨めました」と話す一方、デンマークから帰国して活動自粛を経て2カ月ほどの調整で臨んだ全日本総合では「デンマークの時のコンディションには戻っていない」と繰り返した。海外渡航と活動自粛を繰り返すだけでも、従来より調整への気遣いが必要になる。その難しさを感じたからこそ、出場を予定していたタイでの国際大会に向けては「4週間、ずっとタイにいる生活に耐えられるかという不安もある」と苦笑いを浮かべ、新たな対応を強いられる可能性に触れた。バブルで活動が制限される中、心身のコンディションをどう保つかという、今までにはなかった工夫が必要になることが予想される。

BWFは、タイオープン後もバブルを用いた同一都市での連続開催を行っていく方針を示している。今後の大会日程が流動的である状況を考えると言い切れない部分もあるが、3月のスイスオープンから再開予定の東京五輪出場権獲得レースや、日本A代表の当面の大目標である21年夏の東京五輪に向けて、新たな大会方式におけるコンディション調整法を確立していくことも必要になる可能性がある。バブルによるコロナ対策の下、3週連続の大会でコンディション調整にどのような課題が出てくるのか、気がかりだ。20年11月に東京で行われた体操競技の国際親善大会では、選手たちがコロナ対策の制限に理解を示しながらも、ジムやプールなどで身体を自由に動かす時間を想うように取れなかったことに少なからずストレスを抱えていたことを明かしていた。事前入国から数えて約1カ月という期間を、選手たちがどのように感じるのか。

久々の国際大会で、トップ選手がどのようなコンディションで臨み、プレースタイルの変化を見せるのか。そして、以降の大会でグッドコンディションをキープしていくために必要な工夫とは何か。1月の国際大会は、終息の兆しが見えないコロナ禍における、新たな局面の入り口となる。

文:平野 貴也
平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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