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バドミントン コラム 2019年12月17日

桃田が日本勢唯一の優勝、女子種目は中国勢が巻き返す=バドミントンWTF

バド×レポ by 平野 貴也
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チェン・チンチェン/ジァ・イーファン(中国)

渡辺は、東野有紗(日本ユニシス)と組む混合ダブルスでも準決勝に進出。再戦では敗れたが、世界ランク1位のツェン・シーウェイ/ファン・ヤチョン(中国)と1勝1敗で互角に渡り合った。この種目を牛耳る中国2強からの1勝は価値が大きい。渡辺は「多少、相手にプレッシャーもかかるし、イージーな相手だと思われたくない」と話し、男子ダブルスも含めて「今回は(得られた)五輪レースのポイントも大きいけど、それ以上に得た物がたくさんある」と手応えを持ち帰った。

日本勢の連覇がかかっていた女子ダブルスは、期待値が大きい分、同じ準優勝でも手応えより課題の方が目立つ格好になった。世界選手権2連覇の松本/永原は、予選ラウンドで苦手としている韓国の2ペアと対戦して1勝1敗。予選ラウンドを2位で通過すると、準決勝で福島由紀/廣田彩花(アメリカンベイプ岐阜)に2-1で逆転。力強い勝ち方を見せた。ところが、決勝戦ではチェン・チンチェン/ジァ・イーファン(中国)に良いところなく0-2(14-21、10-21)で完敗を喫した。朴ヘッドコーチも「ちょっと心配。日本勢対決だった世界選手権は連覇しているのに、なぜ、良い試合をできなかったのか。メンタルコントロールが課題。ノーアイデアで動きがバラバラ。プレッシャーに勝てないようでは、試合に勝つのは難しい。良い試合のときに、どんなふうに臨んでいるかを考えてほしい」と好不調の波が激しいパフォーマンスについては、改善を促した。松本は「世界選手権を優勝して、その後もコンスタントに成績を残せているけど、負ける試合は、点数的にあっさり負けてしまうところが今の課題」と外国勢に対して主導権を握れない展開の中での対応策の不足を認めた。福島/廣田は、予選ラウンドで優勝ペアを含む3組に勝利したが、松本/永原には国際大会で4連敗。2週間前に国内で行われた全日本総合選手権の決勝でも敗れており、こちらも対策が急務だ。2組が出場し、準優勝と3位タイの好成績であるにもかかわらず、課題ばかりとなるのは、高橋礼華/松友美佐紀(日本ユニシス)に続く、この種目の日本勢連覇が期待されているためだ。五輪に向けて急速に仕上げてきている中国、韓国勢の成長度に負けずに力をつけていく必要がある。

女子ダブルスは、上記の中国ペアが優勝。女子シングルスも日本の奥原希望(太陽ホールディングス)と山口茜(再春館製薬所)はベスト4で、チェン・ユーフェイ(中国)が初優勝を飾った。中国勢が混合ダブルスと合わせて3種目を制したのは前回と同じだが、特に女子種目で巻き返しを見せた印象が強い。女子シングルスのチェン・ユーフェイ(中国)は、今大会の結果が反映された17日更新の世界ランクで初めて1位に浮上。女子ダブルスも、4月末に五輪レースが始まって以来、日本の福島/廣田と松本/永原の2組がずっと世界ランク1位を取り合っていたが、11月半ばからは中国のエースペアであるチェン・チンチェン/ジァ・イーファン(中国)に1位の座を奪われている。東京五輪のメダル争いという点では、日本は全種目で可能性を持つレベルにあるが、金メダルの争いを意識した場合、やはり伝統ある中国が五輪に向けて確実に力をつけている点は無視できない。2019年を締めくくるBWFワールドツアーファイナルズは、中国勢の仕上がり具合がうかがえる大会だったとも言える。桃田が優勝した男子シングルスでは、負傷離脱していた期間が長く世界ランクが27位まで落ちているシー・ユーチ(中国)も前回大会で桃田を破っている強敵で今後はランキングを上げてくる可能性がある。東京五輪の頂上決戦を見据えると、対中国の試合は、ますます重要性を増すことになりそうだ。

福島由紀/廣田彩花ペア(手前)


写真・文:平野貴也

平野貴也

平野 貴也

1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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