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バドミントン世界選手権(スイス、バーゼル)は、現地時間24日に各種目の準決勝を行い、男子シングルスで連覇を狙う桃田賢斗(NTT東日本)や男子ダブルスの保木卓朗、小林優吾(トナミ運輸)が勝利を収め、日本は5種目中4種目で決勝に進んだ。混合ダブルス世界3位の渡辺勇大、東野有紗(日本ユニシス)も、同1位の中国ペアに敗れて決勝進出はならず、同種目で日本勢初のメダルは、銅となった。男子種目、混合種目の準決勝の模様を伝える。
男子シングルス
桃田は、世界ランク19位のサイ・プラニース(インド)と対戦。高い球を鋭い強打で返される場面はあったが、第1ゲーム途中からは完全にペースを掌握。2−0(21−13、21−8)で完勝した。初戦となった2回戦以降、すべての試合をストレートで勝利し「決勝戦の相手がまだ試合をしていない状況で、自分は全部ストレート。休養面では優位。最悪のパターンとして(決勝で)ファイナルゲームまでいって、バテて……ということも考えているけど(優勝まで)全部ストレートでいくくらいの気持ちで臨みたい」と2連覇に挑むことを誓った。
決勝の相手は、世界ランク9位のアンダース・アントンセン(デンマーク)となった。直近の対戦では、今年1月のインドネシアマスターズで敗れている。昨年の世界選手権を含めて桃田が3勝1敗と勝ち越しているが、3勝のうち2勝はファイナルゲーム。あまり相性の良いタイプとは言えない。総合力での優位は揺るがないが、欧州の声援を受ける相手とどう戦うか注目される。
男子ダブルス
前日の準々決勝で世界ランク4位の園田啓悟/嘉村健士(トナミ運輸)との同門対決を制して初の4強入りを果たした保木/小林は、ともに190センチ台の長身を誇る世界ランク3位リ・ジュンフイ、リュウ・ユチェン(中国)の「ツインタワー」を撃破。序盤から相手を恐れずにアタックを仕掛け、前のめりになってミスが出始めたが、すかさず修正。相手の角度のある強打を恐れずにラリー戦を仕掛け、逆に相手のミスを誘発。リードを譲らず、2−0(21−18、21−13)で勝ち切った。キレのある強打と、低いレシーブで勝利に貢献した小林は「レシーブは、合宿中にタン(・キムハー)コーチに居残りで練習させてもらっていた。その練習が生きてレシーブが冴えて良かった」と自信を深めた様子だった。
世界ランク13位だが、7月にはインドネシアオープンで4強入り。勢いが止まらない。保木は「相手は、実力のあるペア。一般的には、相手が優位。気持ちの面でしか跳ね返せないと思い、序盤から声を出して攻撃スタイルを出した」と大物食いに闘志を燃やしていたことを明かした。決勝戦では、過去2度の優勝を誇るモハメド・アッサン/ヘンドラ・セティアワン(インドネシア)と対戦する。
混合ダブルス
初の4強入りで、この種目で日本勢初となるメダル獲得を決めた渡辺/東野は、前回王者で世界ランク1位のジェン・シーウェイ、ファン・ヤチョン(中国)に0−2(11−21、15−21)で完敗。相手男子選手の強烈なスマッシュが東野を襲う展開を変えられず、試合を押し切られた。東野は「緩い球を使って、私が前に入っていこうと思ったけど、相手の方が速く、自分たちのリズムにできなかった」と悔しがった。中国2強の壁は厚く、渡辺は「正直、強過ぎる。今の段階では、何かをどうすれば勝てるなんていう次元じゃない」と相手の強さを素直に認めた。
写真・文:平野貴也
平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。
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